東浩紀・イケダハヤト・家入一真「世界はほんとに評価経済に移行しているのか」

東浩紀・イケダハヤト・家入一真「世界はほんとに評価経済に移行しているのか」

・「貨幣経済から評価経済に移行している」説
ソーシャルネットワークによって、個人が評価を得られると経済に結びつく。
・SNの発達によって企業等の組織に所属しなくても個人の能力が評価されるようになった。しかし競争は激しくなった。

社会保障を経済成長により成し遂げるのは難しい。税金による再分配が困難に。年金ももらえるかわからない。NPOのマーケティング。個人が「セーフティネット」に相当するネットワークを充足する。

自己啓発本=「俺の成功体験に学べ」。個人の成功体験と社会の成功体験を混同。全員が勝ったら価値がない。稀少材によって成立する。希少でなくなったらカリスマじゃない。皆が価値評価経済には乗れない。社会保障の代替としての価値評価経済というのはありえない。

・スタディギフトの失敗。フォロワ数が多いほど障害も多くなる。坂口のフォロワが多過ぎた。
・妬みは人間の本質的感情、若い女の子というだけで妬む人もいる、リテラシーの上昇でなんとかなるものではない。クラウドファンディングは本来「怪しい物」であり、完全な事業計画書・コミットメントに対する明確な対価ではない。プラットフォームのアーキテクチャを改善してどうにかなる問題ではない。
・お金を集めたけど実行しなかった事例。
・贈与は「交換」ではないから、感情的なものや期待が含まれてくる。ソーシャルメディアは過剰な「贈与」を大きくする世界。ソーシャルメディアは数百~数千人の規模の人が生きていける世界。個別対応やコントロールを超えてしまう。
・玉置沙由里:一人1000円、100人のクローズドなコミュニティ。
・3年前までソーシャルメディアを使いこなせるというリテラシーでフィルタリングがかかっていたが、「早稲田大学女子」というだけで嫉妬するような人間がtwitterを使うようになった。オープンになって有象無象の嫉妬が広がる。

・政治メディアを作りたい津田大介。ネオローグ設立はダウンロード違法化に間に合わなかった。従業員を雇うには金が必要。東浩紀が出版社を立ち上げ、若手を育てようとして失敗。失敗の原因は若手の人生を保証できなかったから。金や権力が介在しない対等な、自由な個人の集まりでしかなく、コミットメントがなかった。育てることの本義に帰ると、相互のコミットメントが必須、例えば互いのコミットメントがない親子関係はありえない。

・才能ある若い人を育てるというのは、書かせる媒体の用意だけでなく、月給支払えるキャッシュの必要。
・イケダハヤトや古市憲寿は単に若いから金が低くても食っていけているだけで、アフェリエイトでは食っていけなくなる。他人を育てるなど不可能。

・プラットフォームを整備してもジョブズは現れない。現にあるのは残酷な選別、それも偶然による。成功者の背後には物語があり、「たまたま誰かに会って」成功。