アメリカよ、ドイツに学べ 2021.11.2
ドイツ:議会制民主主義がヒトラーを生み出した苦い経験から、個人に権力が集中しない工夫がされている。とくに比例代表制は複数の政党が互いに歩み寄り、合意形成することを促してきた。それは必然的に政治の中道化をもたらす。
ドイツでは連立政権に参加しない野党も、政策立案に影響を及ぼすことができる。連邦議会では各種委員会の委員長の座が各政党に割り当てられ、多数派に独占されることがないためだ。
・政党の大きな役割:出馬する候補者選びに党が大きな役割を果たす。党議拘束が議会運営に影響を及ぼすことも多い。突飛な発想を持つ政治家が党の方針から逸脱した行動を取るのが難しい。政治家個人よりも正当に重点が置かれたシステム。
・限定的な夜警国家:ワイマール共和国が殺人もじさない民兵組織や第一次大戦後に社会から疎外された退役軍人を抱えていた状況=2021.1ワシントン暴動(アメリカにはぐんと警察関係者に不満分子がいて、一部は武装している)
ドイツにも軍と警察の内部や周辺に過激な勢力がいるが極右思想を信奉する者が多いと疑われる軍特殊部隊の一部中隊を解体するなど、対策を講じている。
今日のドイツは大規模な軍隊や国家安全保障の実行組織、軍国主義の警察をもたないことが民主主義にとってプラスであることを証明している。
社会的市場経済:社会の連帯感が強い。保守主義と社会主義の両方の伝統を具現化。社会の平等と結束を維持する上で国が重要な役割を担うという積極的自由の考え方がある。
ドイツの民主主義にも欠点がある。コンセンサス重視のため、改革は難航し、変化は漸進的。規制や官僚主義に息苦しくなるときもある。