タリバン復権が台湾に与えた鈍い衝撃 2021.9.24

タリバンの攻勢を前にあっけなく崩壊した親米政権の惨めな姿は、アメリカの同盟国や有邦とのあいだで交わした約束の実効性に疑問を生むものだった。

アメリカは台湾防衛に対する承諾事項を守るのか?

2021.3の2プラス2で台湾海峡の平和と安定の重要性を明記し、台湾有事に対する懸念を示した。2021.4日米共同声明の中でも約半世紀ぶりに台湾海峡に言及したことで、台湾有事の可能性がさらに現実味を持って語られるようになった。

しかし当事者の台湾現地ではさほど切迫した危機感等は感じられなかった。中国の台湾に対する政治や経済軍事の各方面での圧力が強まっている。しかし台湾住民の感覚はある種、麻痺状態に陥っており、台湾有事

を日常的に意識することはなかった。1996年に中国側が台湾側への牽制を目的にミサイル発射練習を実施したことで、外部で台湾言う事に関する懸念が高まるも、との台湾内部は平静だったことを想起させる。